海を汚染するごみであるマイクロプラスチックはポリエステル衣類から出る?
プラスチックごみは海を汚染させる大きな要因ですが、それははっきり視認できるほどサイズの大きなものとは限りません。直径が1mmにも満たないほど小さなマイクロプラスチックというごみも問題となっています。
石油が原料となっているマイクロプラスチックは、そのままでは自然に還ることがありません。そして、プラスチックは元々汚染物質を吸着しやすいという特徴を持っています。
マイクロプラスチックは非常に軽いため、海流に乗ることも難しくはなく、付着させた汚染物質を広めてしまう恐れがあります。
また、海の中に漂っているマイクロプラスチックは、魚や鳥の口の中に入ることも十分考えられます。そして、本来生物にとって必要ないプラスチックは、体内で分解することができません。
そのため、体内で蓄積される恐れがあります。蓄積されたマイクロプラスチックは食物連鎖によって他の生き物に移動し、最終的に人の口に入る可能性もゼロではありません。そうすると、健康に悪影響を与えかねないでしょう。
そんなマイクロプラスチックは色々なプラスチック製品が元となっていて、そのひとつがポリエステルの服です。現代では、石油を元に化学的に作ったポリエステルを使用した衣類が数多くあります。
そのポリエステルはいくつもの繊維が束ねられる形となっていて、繊維ひとつは非常に小さいです。そして、肌とこすれたり風に吹かれるなど、些細な要因でも簡単に取れてしまいます。
特に洗濯をする際には、水流によって数多くのマイクロプラスチックが発生し、その水は下水を通って海へと流れてしまいます。洗濯機にはフィルターが取り付けられているものが多いですが、マイクロプラスチックは非常に小さいため、そのフィルターを通り抜けてしまいます。
そのため、日常的な洗濯をしているだけでも、結果的には海に大量にマイクロプラスチックを出していることになります。もし、環境に配慮するのであれば、ポリエステルでできた服をなるべく避けたり、マイクロプラスチックも捉えられるフィルターを洗濯機に取り付けるといった対策が必要となります。